廃棄物処理に関する懇談会
Ⅰ 柳泉園組合における不燃ごみ・粗大ごみの処理施設のあり方について
第1 不燃ごみ処理における問題点について
現在の施設は、昭和59年3月の改造以来17年を経過し、その間、部分的な改修を実施したが、処理方法及び処理フローの変更をしないで、ごみ処理を行って来た。この不燃ごみ・粗大ごみ処理施設における問題点を整理した。
- 搬入ごみの問題について
- 処理施設の機能の問題について
第2 問題点の改善について
行政に関する施策等については、関係市と協議して改善していく必要がある。施設については、全体的に老朽化しており、部分的な改善では限界があるため、基本的に新処理施設の更新計画に反映させることが望ましい。
第3 不燃ごみとして収集されるプラスチックの取扱いについて
大別して、焼却しない方法、焼却する方法、資源物として分別回収する方法が考えられるが、当懇談会としては、二ツ塚処分場の延命化、クリーンポートにおいて軟質系プラスチック類を焼却した時の排ガス中のダイオキシン類濃度、容器包装リサイクル法による「その他プラスチック」の再資源化状況等を考慮し、当分の間、当該プラスチックの焼却はやむを得ないとの意見の一致をみている。
第4 不燃ごみ・粗大ごみの処理施設の建替えについて
1 施設の規模について
施設の規模は、一般廃棄物処理基本計画の数量を基に計算されるが、プラスチックが重量比で約70%を占めており、この取扱いによって処理計画量が変化すると考えられる。この取扱いについては、当分の間、軟質系プラスチック類は焼却を前提とした計画とする。
2 建設用地について
建設用地は、必要面積、都市計画の用途地域変更の問題、周辺住民との問題、土地買収費用の問題から、「し尿処理施設跡地に建設する場合」が、厳しい前提条件があるものの、有望であると考えている。
3 更新施設の基本的な事項について
関係市の財政状況が厳しい中で、焼却炉建設に続いて相当額の負担となる。したがって、費用効果の高い施設を建設することが求められるため、長期間使用できる、公害を出さない、作業環境に配慮した合理的な処理ができる施設であること。
Ⅱ 一般廃棄物処理基本計画の改定について
第5 一般廃棄物処理基本計画の改定について
柳泉園組合(以下、「組合」という。)と関係市は、事務事業を進めるに当たっては、今後とも、密接な連携の維持とその推進に努める必要がある。また、最終処分場の関係から、三多摩地域廃棄物広域処分組合(以下、「処分組合」という。)の構成団体ではないが、埋立物の搬入団体として、その減量化や埋立基準の遵守について留意する必要がある。
1 基本計画改定の目的について
関係法令の施行等によって、清掃行政を取り巻く環境が変化している状況から、基本計画の見直しが必要になったこと、また、5年毎の見直しの時期とも重なり、諸課題の解決に向けて計画する事業を円滑に進める具体的な対応を示すことが目的にある。
2 改定に当たっての留意事項について
次の事項について留意する必要がある。
- 将来を見据えた広い範囲の視野をもって計画を立案する。
- 諸課題に対応する方法とその時期は明確に示す。
- 文章の表現は、できるだけわかりやすくする。
- 重要な施設等は、明確に表現する。
- グラフを多用し、市民がわかりやすい内容にする。
第6 現状の課題について
現在、廃棄物の量の増加や質の多様化、処分場の確保の困難性など、廃棄物・リサイクルをめぐる深刻な社会問題に対処するため、「後始末的対応の適切な処理」を「排出抑制と分別、保管、再生、処分等の処理」に改善するための関係法令が整備されて、廃棄物の減量化、資源物化等に関する事業を推進することが求められている。
1 関係法令との関係について
関係法令に対応するためには、将来の環境に対する影響を考慮し、長期的かつ広い視野で対策を考えることが必要であり、商品の使い捨てを前提にした市民のライフスタイルや事業活動のあり方を変えることが必要である。また、法令においては、市民、事業者及び行政の役割分担を明示して、施策において対応する基本的な方向が明らかにされているが、具体的に対応する場合は、それぞれが課題や問題を抱えており、その解決には相当な努力を要するものと考える。
2 法律の対象物と優先順位及び関連する法律について
- 優先順位・・・ア廃棄物の発生を抑制する。イ排出された廃棄物はできるだけ資源として利用する。
- 関連する法律の対応・・・廃棄物に関連する法律は、基本法の基に廃掃法以外の法律がある。したがって、市民、事業者、行政は、それぞれの役割と責任において、法律に目的とするところにより、その整合性と実効性のある対応が必要である。
3 市民、事業者及び組合の責務について
廃棄物の発生抑制、資源化及びその循環利用については、市民、事業者、関係市及び組合がそれぞれに役割を担い、その責任と義務を果たすことが必要である。
第7 リサイクル事業の推進について
組合のリサイクル事業は、すでに関係市においては廃棄物の分別収集と市独自の資源化が行われており、この施策に沿って資源化の施設が組合に設置されて、リサイクル事業を進めているところであるが、不燃物として搬入される容器包装リサイクル法の対象である「その他プラスチック類」の対応が課題となっている。
1 当面の対応について
- その他プラスチック類の取扱いは、クリーンポートにおいて軟質系プラスチック類を可燃ごみと混合燃焼した場合に、国の基準を下回る測定結果が出ていることから、一定の基準以上であることを評価し、また、埋立処分場の状況から、その延命策と経費の観点から判断しても、やむを得ない方法として理解するものである。
- クリーンポートの熱回収は、特に、ダイオキシン類の測定結果は、国の基準を大幅に下回り、その安全性や信頼性等について確認されて、当初計画された仕様のとおり熱回収を行い、発電電力を施設で利用し、余剰電力は電力会社に売却して、サーマルリサイクルを図っている。
2 容器包装リサイクル法の対応について
- 法律の目的と運用・・・法律の目的は、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、生活環境の保全及び国民経済の健全な発展の寄与することになっている。したがって、その運用にあっては、政省令において、容器包装の範囲や分別基準適合物とその量、分別収集計画及び回収される特定容器を用いる特定事業者についてなど、詳細に定められているため、それに留意して対応する必要がある。
- 今後の対応と課題・・・その他プラスチック類の対応については、組合と関係市が協議して、早い時期に実施計画を立案することが必要である。ただし、必要な施設整備をして対象物の全量を処理するには、相当の期間と経費が必要になることから、できることから実施するように努める必要があると考える。
3 不燃ごみ・粗大ごみ処理施設の更新について
当該施設の建替えについては、施設の機能が現状のごみ質に適合していない状況を考えると、早い時期に施設を更新するための計画を立案する必要がある。なお、施設の能力や設備等の内容については、慎重に検討する必要がある。